TOKIDOKIラボラトリー

ニュースチェック,マイコラムの執筆,気が向けば,小説の投稿など,もの書きブログです。

三題噺001 「ステーキ,庭,キーホルダー」

(※注意)お題はネット上のジェネレータより。執筆時間は50分以内のルールです。

 


仕事からの帰り道,自然と視線は足元に向かう。
今の生活に不満があるわけではなく,むしろ,どちらかというと,幸せな方だと思う。

日々の仕事に疲れはするし,こうして,肩を落として帰る日だってある。
けれど,家に帰れば愛する家族がいる。
僕は多分,恵まれている。

ふと,視界の隅で何かをとらえた。
特に意識したわけではなかったが,なぜか視線はそちらに向き,
僕の足はその何かに惹かれて進んだ。

そこには,僕が子どものころ流行ったアニメキャラクターのキーホルダーが落ちていた。
瞬間,記憶が蘇る。


そのキャラクターは,僕が昔好きだった人のお気に入りのキャラクターだった。
通学カバンにキーホルダーをつけたその人は,僕より一学年上の先輩だった。
よくある話で,僕はその人に憧れて,特に興味もない弓道部なる部活に入部した。

僕はいつまでも下手くそで,大会に出場することも適わなかったけれど,
それでも近くでその人の射る姿をみることが,至福の時間だった。

そんな僕にも,先輩との思い出というものがある。
それは,彼女の最後の大会が終わったあとのことだった。

最後の大会に敗れた彼女が一人涙を流していることを偶然見かけた僕は,
その当時の本心で邪な気持ちはなく,こっそり隠れて様子をうかがっていた。
僕は,彼女が射る姿よりも,そのときの彼女が一際美しいと思った。

ひとしきり泣き終えたあと,ぼんやりと彼女に見惚れていた僕はあっさりと見つかり,
帰り道をともにすることになった。
彼女と歩く道は,どこか夢うつつだったが,
途中立ち寄ったコンビニがそこは現実であると教えてくれた。

彼女はからあげを買い,いつも部活帰りは買っていたの,といたずらっぽく笑った。
その笑顔に,やおら緊張が解けた僕は,恥ずかしながらお腹を鳴らしてしまった。
それを聞いた彼女は,さらにいたずら心が芽生えたらしく,つまようじにからあげを一つさすと,
あろうことか,僕の口元に手を伸ばしてきた。

戸惑う僕の口の中に,彼女はからあげを突っ込んだ。
そのときの笑顔が--


「今日のご飯なーに?」
「今日はねー,ママの好きな,からあげー」

道端に落ちたキーホルダーを見つめる不審な僕のすぐそばを通り過ぎた。
そんなわけないと思いつつ,もう背中しか見えない親子を見送る。

その背中が,あの日,僕が憧れたあの人に似ている気がしたのは,
もうすっかり日が暮れたしまったからだろう。

その証拠に,キーホルダーのキャラクターが何であるかさえ,よくわからないのだから。


家の庭に入ると,香ばしいにおいがした。
これは,きっとステーキだ。

子どもに出迎えられ,僕は食卓についた。
目の前には果たしてステーキがある。

僕はいただきますもそぞろに,それにかぶりついた。
濃厚な肉汁が口の中に溢れ,文句なく美味しい。

けれど,それはあの日のからあげに敵うはずもなく,僕は荒っぽく口を拭った。
そして,何かを忘れようと,お茶を一気に飲み込んだ。


 

デレステが1周年を迎えたらしい。

www.4gamer.net

 

ぼちぼちやらせてもらっている「デレステ」ですが,1周年を迎えたようです。

おめでとうございます。

スカチケ第2弾も販売されていますね。

 

城ケ崎姉妹Pの私としては,

現在のイベントで莉嘉ちゃんがセンターであることでもう言うことはないです。

Oange Sapphire以来の走りっぷりです。

 

ガシャの方は,無事に限定志希にゃんをGETしたので,

後は納税で次回更新を待ちます。

そのタイミングでスカチケもいただきます。

誰にするかはもうちょっと考える方向で!

 

限定志希にゃんの衣装可愛いけど,恒常の方がLippsに合うね!